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2009年 12月 26日

希少本を入手!

 先日、オークションで川崎克氏の『伊賀及信楽』を入手しました。 この本は大正15年に発行されましたが、関東大震災で原稿,写真が焼失するなど困難の末に発行されました。
 川崎克氏は、衆議院議員であり、伊賀上野城の再興に尽力され、伊賀焼に対する造詣も深く、百五銀行の創業者である川喜田久太夫(半泥子)と瀬戸の陶芸家加藤唐九郎らと共に、古伊賀の発掘も行っています。
 古伊賀は、安土桃山時代に筒井藩が古田織部の協力を得て作陶され、一世を風靡しました。 しかし、その期間は短く、藤堂藩の時代には一気に衰退して終いました。
 大正15年に発行されたこの本は、皆さん一体幾らだったと思いますか? 定価弐拾5圓ですよ! 印刷部数も少なく、カラー写真をふんだんに使用したあの時代の物凄い豪華本です。 入手した本は勿論復刻版ですが、それでも1988年に再刊され、比売品の為、復刻版でも希少価値があります。
 
 
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 古伊賀は、盛隆期間が短いために、伝承された諸技術も、窯跡も、陶片も未だ発掘されておらず、槇山で焼かれたのか?丸柱で焼かれたのか?伊賀上野城内で焼かれたのか? 全く不明です。 この為、伝承書籍も極めて少なく、この本と谷本光生氏の本くらいがかろうじて発行されているのみです。
 粘土も白土山で採取したことは記録に残っていますが、白土山の何処から採取していたのかも不明です。  伊賀地方は常に戦乱期の渦中にあったことは、歴史が証明していますが、考古学,郷土学そして史跡の発掘等の意識は極めて低く、これも排他的な地域性が起因しているのかもしれません。
 皆さん! 古い物は全て歴史を感じませんか? 大正,昭和期の比較的新しい物も、近代化の波に飲み込まれてどんどん衰退して行ってます。 伝承すること自体が、私達の使命であり、その努力の積み重ねが歴史を作って行くものだと、私は常々感じています。 古い物を捨てずに愛着を持って大事にしましょうね!
 
by goshinan | 2009-12-26 13:02 | 日々の作陶